しーくれっとハムのひとりごと

ROM専が時折もらす独り言です。

あついおもい①

前記事はこちらから(*^-^*)

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コミケ発の「やおい同人」ブームから、いよいよ商業BLがメジャー化していきます。BLの現在そして未来は・・・。

3.花ひらくBL文化

このブースは四方を白ボードで囲われています。中に入ってみると

先ずは故あさぎり夕氏のコーナーです。原画や著作が展示されています。私は雑誌「なかよし」連載の「コンなパニック」の最終回近くを読んだだけです。

※私はアニメ版「美少女戦士セーラームーン」を観て原作に興味を持ちました。それが雑誌「なかよし」を手に取るキッカケでした。

でも絵がとてもキレイで、男性もすごくイケメンだったのは覚えています。なので何年か後に書店であさぎり夕氏のBL小説や漫画を見かけた時はびっくりしました。

( ゜o゜!)エェッ

でもWikipediaを見ると、この方は本来はBL志望だったようです。

その、あさぎり夕氏のコーナーの横にBLと他ジャンルを描き分ける作家の作品が幾つも並べて展示してありました。CBには"BLジャンルでデビューしたのちにBL以外の雑誌でも活躍する作家が、2000年代ごろから増加します。"と書かれていました。例えば水城せとな氏だと「失恋ショコラティエ」(一般)の横に「同棲愛」(BL)です。

次は90年代初頭のBL雑誌創刊ラッシュに創刊した雑誌の数々。それらがずらりと並ぶ様は圧巻です。

※実際に手に取れますがRシーンのページは閉じられています(笑)。

ついに時代はBLを一大ジャンルとして一般に認知させる流れとなります。

キタワァ━━━━━━(n‘∀‘)η━━━━━━!!!!!!

CBMAGAGIN BE×BOY創刊 編集者インタビューから、雑誌創刊時の喜びがありありと伝わってきます(笑)。

編集者、牧歳子氏(現姓:太田 現株式会社リブレ代表取締役社長)は当時"(中略)神に感謝したくなって、実際に窓を開けて月に「神様ありがとう!!」って祈ったんです。でも夜中に大声を出してたので、遠くで発情期の猫まで鳴き始めて、近所の方に「うるさい!」と怒られました(笑)。"そうです。

もはや祈りではなく雄叫びですね。wwwww

ただ、この雑誌が辿った道も決して平坦ではなかったようです。

CB『MAGAZINE BE ×BOY』(1993年創刊、青磁ビブロス2006年~現在、リブレ発行)によると"雑誌もコミックスも「どこが天井なんだろう」と思うくらい伸び続けたという。1993年から起こるBL雑誌創刊ラッシュは『MAGAZINE BE ×BOY』の成功によるところも大きい"とあります。しかし2006年に出版社のビブロスが倒産。

( ̄Д ̄;) ガーン

しかし編集者達は雑誌存続に奔走します。それを支えたのは”読者の熱い思いでした。新会社(アニメイトグループが出資、現株式会社リブレ)を設立し”休刊1か月のみで雑誌の刊行を継続。現代にいたるまで人気No.1のBL誌として業界を牽引し続けている。"

この激アツな展開は往年の某国営放送番組のOP&EDソング(星は空だけに非ず&車の明かり的な感じ)が流れそうです。かつての「June」復活劇に通じます。やはりBLはクリエイターや出版サイドは勿論ですが、何より読者達の情熱(熱量半端なし)が支えているジャンルなのだと改めて感じました。

 

〈あとがき〉

このブースは一見すると明るく健康的です。BLがメジャー化していく時代の流れを象徴しているかのようです。でも四方を囲う白ボードに描かれているのは江戸川乱歩の「孤島の鬼」の抜粋。妖しさ満点です。

やはりBLとは仄暗さや淫靡さ、かつてのJune的なものとは切っても切れないものであるように感じました。

(///△///)オオッ・・・

今回はここまでにします。

年内に終わるかは現時点では未定です。

"(-""-)"

 

次記事はこちらから(*^-^*)

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じゃないの?

今だ追憶沼に片脚を突っ込んだ状態ですが「はじめてのBL展」の記事の続きです。

このままでは2023年が終わってしまいます(既に年明けに持ち越す可能性大)。

"(-""-)"

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2.やおい~やまなし・いみなし・おちなし



雑誌「June」が先駆けとなったBLの商業化がいよいよ進みます。CBやおい」の誕生によると"もともとは「自分の描きたいところだけ描いて、ストーリーの山も落ちも意味もない」"同人誌を自嘲的に評する言葉であった”そうです。

BL発展における大きな原動力となった同人誌。多くのアニメや漫画から二次創作が生まれた訳ですが、当時はキャプテン翼」(高橋陽一著)がブームでした。私はCBを読みながら(え!?聖闘士星矢」(車田正美)じゃないの?)と驚きました。

ここで役立つのが入口の壁一面の巨大なBL史年表。早速、確認してみました。

聖闘士星矢」は後発で、初めての同人ブームを起こしたのは「キャプテン翼」でした。

私の中途半端な知識では「聖闘士星矢」は美形キャラ(アンドロメダでピンクの鎧の美少年とか)が多く、BL(当時はやおい)同人が数多く作られた、となっていました。私的には「キャプテン翼」のキャラ達は、あくまで健全なスポーツ少年のイメージです。

ただ「キャプテン翼」と「聖闘士星矢」の原作の絵を幾つか見てみると、どちらも少年達の瞳がキラキラしていて確かに可愛いな~と思いました。

( 〃▽〃)

CBキャプテン翼パロディ・二次創作ブームと商業誌への影響では、ブームが引き起こしたコミケ発のBL発展について具体的に述べられています。

・「やおい」サークルの爆発的増大

・電算処理を導入&ジャンルコード設定

・同人誌再録中心の商業アンソロジー多数発行

CBは”その後のボーイズラブ雑誌創刊ラッシュにおいて二次創作同人誌出身作家が参加、その才能を更に広げていくことになる。”

で締めくくられています。

このブースの展示物は先ず当時のコミケの配置図です。「キャプテン翼」の二次創作を扱うサークル(ブース)が年々(1985-1988)増えていくのが分かります。次がカップリング表記関連です。CBカップリング表記の歴史(@コミケカタログ)によると1982年夏コミで初登場、同人界隈で広がり2000年代には一般への認知も進んだそうです。表記の時代ごとの変遷も面白いです。

例えばこれを「間の楔」(吉原理恵子著)に登場するCP、イアソンとリキで表すと

1980年代:イアソン♡リキもしくはイア♡リキ

1990年代:イアソン×リキもしくはイア×リキ

2000年代:イアリキ

となる訳です。どの時代の表記も萌えます!!

(///∇///)

またカップリング表記を研究する方がいて関連冊子が作られる等、非常に奥深いです。


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<あとがき>

やっぱりBL展は勉強になります(笑)。また”やおい”もマイナーであるからこそ自虐的に笑い飛ばす、でも後にはそれこそがメジャーになる。その流れが実に痛快でした。

(≧▽≦)

それから記事を書くためにBL史年表を読み返してみると、現実のLGBTQを巡る事柄も記載されていました。奇しくも1985年は”「キャプテン翼」同人誌ブームはじまる”と”厚生省、日本人エイズ(HIV)1号患者を発表”が併記されています。翌1986年は”動くゲイとレズビアンの会(ーアカ)発足”と記されています。BLと現実の同性愛をどう扱うべきか?両者はずっと以前から論争がありました(やおい論争)。BL発展に貢献した故栗本薫(中島梓)氏も当事者でした(栗本・PAN子論争)。でも敢えて年表に併記することで私は主催者サイドの真摯さを感じました。思えばゲイ雑誌「さぶ」の編集長が「June」創刊を後押しした事実も興味深いです。私もこれらの論争はイチBL好きとして考えさせられる部分があります。それは今年観た映画「エゴイスト」も影響しているかもしれません。

私にこの映画を教えてくれたX(旧Twitter)のフォロワーさんに感謝です。

(*^-^*)
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ただ、今回も記事を書いて思ったのですが、私はつくづく写真の才能がありません!

どれも暗い&微妙なピンボケです。

(T_T)

ふりかえると

何かの神話ではないけど、”決して後ろを振り返ってはならない”との戒めがあります。

万が一振り返ると

沼にハマります(笑)。

私は正にある恐るべき沼にハマり、ブログ更新が途絶えていました。

その沼のキッカケも前記事まで3回に渡って書いた「はじめてのBL展」でした。

最大目的であるJune探訪のブログ記事を書き終え、次のブースやおい ~やまなし・おちなし・いみなし~」について軽く書こうとするとフト思い出しました。いえ思い出してしまいました。

ここで振り返ってしまったが為に・・・(笑)

 

このやおい(ヤオイ)”に、”BL(ボーイズラブ)"ではなく、あくまで”やおい(ヤオイ)”であることに拘った人のことを。

ずばり故栗本薫(中島梓)氏です。前ブースではJune創刊や、その後のBL発展に多大な貢献をしたことが詳しく紹介されていました。そして沼にハマった・・・とは云っても、栗本氏の作品を幾つも読み漁ったわけではありません。軽い「終わりのないラブソング」再読ブームは訪れましたが。先ず「グインサーガ」は読んでいません(笑)。

※これについては後で語ります(多分)。

かつて読んだ作品や作家への傾倒というより初読み時の自身の思い出や、何年も経ってから抱いた自身の栗本薫氏への思いへの追憶にふけっていた感じです。追憶沼?ですかね(笑)。

 

<あとがき>

最近になり、ようやく追憶沼(笑)から抜け出しつつあります。私は何かにハマっている最中は、それについては勿論、他の事でも何も書けない感じです。元々、筆不精なのでボンヤリと考えている方が楽な性分なのもあると思います。それでも何かを表現したいとの思いがあり、ブログを始めた訳ですが、前記事「じゅねたんぼう③」の日付は2023年7月30日です。3か月オーバーで放置していた訳ですから、我ながらひどいな~と自身に呆れるほかありません。それでも再びこの記事を書いた訳ですから、スローペースでも何を書いていきたいです。

 

<余談>

今回の「終わりのないラブソング」再読ブームで先ず私が読んだのは自宅にある紙書籍(角川スニーカー&ルビー文庫)です。しかし電子全集の存在を知り、本編以外に盛沢山な内容が収録されていたので思い切って購入しました。ただ吉田秋生氏の挿絵が一切無いのが残念です。

 

※但し各巻末に付録で「単行本初版書影写真」があります。吉田氏が手掛けた表紙のカラーイラストだけは見ることができます。

 

 

 

 

 

 

 

じゅねたんぼう③

「はじめてのBL展」開催終了から2週間が経ちました。気が付けば7月末で連日猛暑の日々です。やはり主催者様への敬意もあり、展覧内容を記事にするのを迷うこともありました。でも前記事「じゅねたんぼう②」のブログ更新ツイートにまさかの角川武蔵野ミュージアム様がいいねを下さる光栄な出来事もありました。

(*^-^*)

次はいよいよBLのメディアミックス化の歴史です。

CB『カセットJUNE発売当時の反応について』によると

ウォークマンの登場も契機になったそうです。確かにBLをこっそり聴くのにピッタリですね。

(//∀//)オオ・・

”目に見えないぶん創造力を刺激してくれ、妄想がもっと膨らんだり、独特の雰囲気があります。耳元で囁くようなポイントも良くて思った以上の大成功になりました。”

そして声優の故塩沢兼人氏は”当時美形悪役で一番有名だった”そうです。

当時はカセットテープですが今ではCDに変わり、BL作品は今現在に至るまで数多くドラマ化されています。その先駆けもまたJuneでした。改めてBL文化の発展に果たした功績の大きさが伝わってきます。

上段真ん中が「間の楔」のカセットブック。作品初のメディアミックス化です。その貴重なカセットJUNE版をCD化した「塩沢兼人メモリアル」も下段右端に展示されています。

続くCBドラマCD、カセットなどの発売、そして・・・・・では、BL作品がついに映像化される流れが書かれています。その作品こそがカセット版も好評だった「間の楔」です。


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”恐る恐る”制作されたOVA版「間の楔」の前半。しかも販売形式は雑誌Juneでの通信販売だけだったそうです。それでも後編が制作されるほどに売れた訳ですから原作は勿論、OVA版の名作ぶりが伝わってきます。

因みに作者は加筆修正版「間の楔」の第1巻(Chara文庫・徳間書店)のあとがきで、OVA化を振り返り"あの当時は『JUNEって無謀なチャレンジャー』"と述べています。

※BLのメディアミックス化についてはBL展の第3章「花開くBL文化」でも述べられています。

こうして"B5の薄い体裁で、変わった内容の雑誌"Juneから始まったBL文化は90年代以降に更なる発展を遂げていきます。

その流れはBL展の第2章「やおい やまなし・おちなし・いみなし」と第3章「花開くBL文化」で語られていますが、再びここで一回終えます。続きは次回?とします。

 

<あとがき>

私のJune探訪自体は一応これで終わりです。相変わらず何をどこまで書いて良いのか迷いました。でも「間の楔」のOVA化については、つい力(チカラorリキ)が入ってしまいました!ただ会場で見たカセットJUNE版「間の楔」を見ると、やはり時代を感じました。記録媒体がカセットテープなのは勿論、道原かつみ氏が描いたパッケージイラストも80年代的でした。私の写真では小さくて見にくいとは思いますが。

(*_*)

リキは黒のジャケットの下にインナーを着ていません。それにイアソンのコスチュームは私的に・・・・に見えてしまいます。それも何かの形で語れたら、と思います。かなりのぶっちゃけになりますけど!

<余談>

「じゅねたんぼう」は3週連続でブログ更新したかったのですが、先週は夏風邪でダウンしてしまいました。熱自体は一晩で下がりましたが喉の痛みと何より咳が続いたのが堪えました。また新型コロナは季節性インフルエンザと同じ5類移行とはいいながら、実際は風邪症状は相当に警戒されます。私が内科クリニックに行き風邪症状と告げただけで保険証の提示も求められずに別室に通されました。いわゆる発熱外来で別枠扱いです。そこで抗原検査を受けて陰性と判明してから一般的な診察となりました。コロナ禍が終わったわけではないことを改めて認識させられた出来事でした。

 

次記事はこちらから。

 

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じゅねたんぼう②

「はじめてのBL展」も本日7/16(日)まで。自分が行った時のことを思い出すと何か感慨深いです。

(-_-)シミジミ・・・

と、いう訳で前回記事「じゅねたんぼう①」の蛇足(笑)から書いていきます。

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CB『JUNE』とルビー文庫の関係についてで長年の謎が解けた訳ですが、思い浮かんだのが極めて個人的な恨み(笑)です。

それはずばり間の楔」も挿絵を入れろー!!WWWWWWW

光風社の単行本版では表紙のカラーと口絵でしか道原かつみ氏のイラストを見る事ができません。勿論、雑誌連載時のイラスト全収録するのは不可能ですが数点だけでも載せて欲しかったです。同じ光風社の単行本でも「神の子羊」は挿絵ありなので。

では恨み言(笑)はここまでにして続きを書いていきます。

(^-^)

次のCB『JUNE』の思い出では吉原理恵子氏&ごとうしのぶ氏がコメントを寄せています。私はごとう氏は全く読んだ事が無いのですが爽やか系と認識しています。なのでドロドロ執着系の吉原氏とは対極のイメージです。因みにごとう氏のCBは”『JUNE』生まれ『JUNE』育ち、ただし異質。というのが『タクミくんシリーズ』です。ということを、近年知りました。”で始まります。

そして吉原氏のCBではJuneにハマり"なんだかもう頭の中の妄想菌を吐き出したくてたまらなくなって編集部に勝手に自作小説を送りつけて今に至る"そうです。確かに妄想が膨らむ様は菌の増殖と似ているかもしれませんね。加速度が半端ないですし(笑)

この自作原稿を編集部に送ったエピソード自体は加筆修正版「影の館」(Chara文庫・徳間書店)のあとがきでも語られています。私はその逸話を初めて知った時に感じたのが(何かリキみたい)でした。リキの性格の一部は、もしかしたら作者自身が反映されているのかもしれません。そして雑誌連載版及び単行本版から年月を経て書かれた加筆修正版でリキ(やその他のキャラも)性格に若干の変化を感じました。これも作者自身の成熟が関係しているのかな?と。

注)全て私見ですのであしからず!!

・・・少し話が横道に逸れたので(汗)、話を「はじめてのBL展」に戻します。

次は元編集長の佐川俊彦氏のCB中島梓先生・竹宮惠子先生竹宮惠子氏のCB増山法恵さんという存在です佐川氏は”お二人ともアイディアは出してくれますが、編集に口を挟むことはありませんでした。"と述べています。Juneから始まる後のBL小説&漫画の今日の発展は各人の活躍や貢献だけでなく、互いの信頼感も大きかったように感じました。竹宮氏のCBからは増山氏が竹宮氏の創作において、いかに大きな存在であったかが伝わってきます。その増山氏は2021年に永眠されました。因みに私は訃報をネットニュースサイトで知りました。私は増山氏が書いた「風と木の詩」(竹宮惠子)の続編小説「神の子羊」の存在を知り、古本屋で一年半も探した思い出があります。当時はインターネット自体は存在していましたが自宅には無く、何より私自身が情弱でした。

(+o+)

そのCBの下に展示されたのが増山氏の作品群。小説June掲載版「神の子羊」が表紙ページで見開かれたものもありました。それ自体は写真撮影NGでしたが、私が持っている単行本版には載っていないイラストでした。挿絵は竹宮惠子氏なので全部見たいなと思いました。でもその為には掲載号を全て買わないといけないで流石に敷居が高いです。

(*_*)

また中島梓(栗本薫)氏と竹宮惠子氏の作品群もBLであるなし関係なく幾つか展示されていました。これまた写真撮影はNGでしたが、栗本薫(中島梓)氏「終わりのないラブソング」の手書き原稿も展示されていました。ただpartⅢの表紙の原稿だったのが残念です。もし本文の手書き原稿なら(この文章憶えてる!)とワクワクできたかもしれないので。

でも「紫音と綺羅」の創作ノートが展示されていました。これは昔に一度読んだだけなので今は内容自体を殆ど覚えていません(泣)。ただ作品がリレー小説で上巻は一章ごとに書き手が違っています。「間の楔」の吉原理恵子氏が書いた章もあります。それを思い出すと何か興味が湧いてきました。

(*´∀`*)

次のCBJUNEと耽美文学です。これは批評家の石田美紀氏(BL評論の著作有り)によるものです。やはり中島梓(栗本薫)氏と竹宮惠子氏の果たした役割の大きさについて述べられています。Juneとは中島(栗本)氏の文学と竹宮氏の少年愛マンガの”邂逅から生まれたハイブリットな表現”とのことです。

 

では再びここで一回終えます。続きは次回?とします。

 

<あとがき>

前回と変わらず何をどこまで書いて良いのか迷いました。それから私は写真音痴なので、せっかく写真撮影OKの展示物も多数にあったのですが今回の記事に使えそうな写真がありませんでした。文章も絵もダメで写真のセンスもないなんて、ホントに自分は芸無しだなぁ~と記事を書きながらため息が止まりませんでした。でも!!吉原理恵子氏ではないですが、私も妄想菌自体は持っているので下手でスローペースながらも表現していきたいです。

それから途中でフト「間の楔」の考察めいた内容が入りましたが、これもいつか何らかの形で記事にできれば、と考えています。

(*_*)

次回へ続きます。

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じゅねたんぼう①

June・・・それは私が好きなBL作品「終わりのないラブソング」(栗本薫)、「間の楔」(吉原理恵子)、「風と木の詩」(竹宮惠子)の続編小説「神の子羊」(のりす・はーぜこと増山法恵)が連載された雑誌であり、日本のBL史を語る上では欠かせない存在です。

しかし、私が実際にJuneに触れることはなく、上記作品も書籍化された単行本or文庫本を手に取っただけです。その後は様々な取っ掛かりから断片的な情報は知っていました。中島梓(栗本薫)氏の「小説道場」&竹宮惠子氏の「お絵描き教室」etc・・・。

そんな私の心の片隅にあった好奇心を呼び覚ましたのが、偶然にもネットニュースサイトで知った「はじめてのBL展」開催の記事でした。

「興味あるな~(///∇///)」と、ツイートした直後から

行きたい行きたい行きたい行きたい行きたい行きたい行きたい行きたい行きたい・・・

と衝動を抑えられず、相当な遠方ですが行くことを決意しました。ただ資金&時間に余裕がない為に計画自体が相当な強行軍でした。その上、会場入り予定日の2023年6月3(土)は前日からの台風2号の影響で私の旅路を更に過酷なものにしてくれました。会場に着いた時には既に身体はガタガタでした(笑)。

(>_<)

※その辺りの経緯も別記事にできれば、と思います。

と、ここまでが長い前置きです(笑)。

先ず会場となったのが埼玉県所沢市角川武蔵野ミュージアムです。

その巨石のごとき外観を目にして思い浮かんだのがマグリットの「ピレネーの城」でした。


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巨石に入ると中は広々としたエントラスホール。早速インフォメーションでBL展のチケット購入。ただ展覧会名をいう時に若干の気恥ずかしさを覚える私の中途半端ぶり・・・

(*´д`*)イヤン

これでは何の為に過酷な道のり(笑)を乗り越えてJune探訪に来たのか分かりませんね!

エレベーターで4階へ。会場入り口でセルジュとジルベールを見て、ついに来たと実感!!

キタ――♪ o(゚∀゚o) (o゚∀゚o) (o゚∀゚)o キタ――♪

軽く説明を受けて中に入ると向かって左の壁一面に巨大なBLの歴史年表!!

★これについては別記事かTwitterのスペースで語れたら、と思います。

年表の向かいが

1.Juneの時代

壁にはいくつものキャプションボード(以降CB)が並び、ガラスケースには貴重な実物資料の数々。元編集長の佐川俊彦氏のCBから創刊秘話が分かります。

※CB全文を載せるのは気が引けるので、私個人が印象に残った部分以外は伏せます。以降も一部抜粋のみ。

先ず私が驚いたのが”男同士で少女漫画”のワード。確かに恋愛モノですがJuneは骨太のイメージだったのでその表現が意外でした。またJune創刊を後押ししたのはゲイ雑誌「さぶ」の編集長。ゲイいわゆるLGBTQはリアルでBLはファンタジー。両者は住み分け済と思っていたのでこれまた意外でした。そして”B5の薄い体裁”で創刊。確かに展示された初期のJuneは今のBL雑誌の1/3~4の厚み。まだまだBLは書き手自体が少ない時代でした。CBによるとそれが中島梓(栗本薫)氏の小説道場や竹宮惠子氏のお絵描き教室での新たな作家育成に繋がったそうです。

因みに竹宮氏のCBでは、実はJuneでの執筆に葛藤があったことが語られています。かつて必死で編集部を説得し、その為に「ファラオの墓」をヒットさせて「風と木の詩」の連載を勝ち取った逸話を知る私はこれも驚きました。

※正確には1978年創刊時のタイトルは「comic JUN」。翌年に「June」に変更となりました。

こうして創刊したJuneですが翌年早々に一時休刊となりました。

Σ( ̄□ ̄lll)

やはりパイオニアやチャレンジャーは苦難の道を強いられるようです。

しかしCB『JUNE』休刊からの復刊についてによると復刊願いの手紙やハガキが殺到し、読者の情熱で復活したJune。その手紙やハガキには”それが嘘みたいにみんな”同じことが書かれていたそうです。私はそれを読んだ時は会場で思わず吹き出してしまいました(笑)。何というか情熱とコスト感覚の絶妙さ、昭和的堅実さを感じたのは多分私だけですね(汗)。恐らく、ほぼキャッシュオンリー(現金のみ)の時代だったこともあるかもしれません。

 

June復活劇の次が『JUNE』とルビー文庫の関係についてです。

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写真が若干暗くてぼやけててスミマセン。"(-""-)"

何故同じJune連載作品が書籍化時は違う出版社の文庫レーベルとハードカバー単行本に分かれるのか?例えば「終わりのないラブソング」は角川ルビー文庫、「間の楔」や「神の子羊」は光風社の単行本です。そこにも中島梓(栗本薫)氏の尽力がありました。

と、コーナー全体を見て感じたのは、やはり中島梓(栗本薫)氏と竹宮惠子氏の存在の大きさです。CBや展示物もお二人の功績や貢献を称える内容が多く感じました。その後のBL文化に与えた影響は計り知れないものがあったようです。

 

ではここで一回終えます。続きは次回?とします。ついでながら私がBL展に行った目的の大半がJuneを知ることでした。なので記事にするのはJune関連が大半です。それ以外はサラっと書くと思います。

 

<あとがき>

やっとブログに書けました・・・。ずっと書く書く詐欺(笑)みたいになっていました。

(*_*)

やっぱりどこまで書いて良いのか迷いました。

因みにJune創刊秘話はウィキペディアに載っています。そこにはBL展のCBの内容がより詳しく書かれています。リンクを貼っておきますので興味のある方は是非ともご覧ください。

(^-^)

JUNE (雑誌) - Wikipedia

<追記>

私が会場で吹き出した読者からの復刊願いの手紙やハガキのエピソードも載っています。ホントに何というか、今の令和の時代は電子マネー等が普及し現金に触れる機会が段々と減っています。その為にお金を使っている感覚が希薄になり、時にトラブルや問題を引き起こす原因となったりします。もう”財布と相談”なんて言ってもピンと来ない人もいるかもしれません。何かその逸話を知って改めて昭和のアナログ時代を感じました・・・て、私だけですね!

 

次回へ続きます。

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さいごのきす

吉原理恵子著「間の楔」は発表から30年以上を経ても、尚も読者を魅了する名作。

※年号にすると 昭和→平成→令和に至り、改めて感じる凄み。

前記事「ぞうきんがけ」はお下品な内容だったので(汗)今回は真面目で抒情的な考察を目指しました。内容的にはブログ記事「てぶくろはどこ」の補足もしくは続編です。

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間の楔」で描かれたイアソンとリキの最後のキスは所謂シガー・キスでイアソン曰く”ラスト・スモーキング”です。でも「間の楔」が連載された雑誌「小説June」に気になる挿絵があります。イアソンとリキが互いに抱擁し情熱的なキスを交わすイラストです。この挿絵を見て私は実はこれが崩れゆくダナ・バーンで二人が交わした本当の最後のキスだったのかな?と思いました。リキはブラック・ムーンの効果で朦朧とする中で力を振り絞りイアソンに抱きつき、イアソンもそれに応じたのではないかと。これまで肉体で深く繋がってきた二人の最後が敢えてシガー・キスなのも尊いですが、やはり二人らしく最後まで身体で触れ合ったのかな?と。

そう考えてイラストを感慨深く見直していると、ある事実に気づきました。イアソンが手袋を嵌めていません。爪がハッキリと描かれています。f:id:secretham:20230702190130j:image

私はブログ記事「てぶくろはどこ」で単行本版(雑誌連載の書籍化)では手袋の有無の具体的描写が無いと書きましたが、「小説June」連載版の挿絵を見ると(絡み時以外の)着衣のイアソンは常に手袋を嵌めていると思われます。少なくともイアソンとリキの出会い時、リキの手首を掴む場面では手袋の存在を確認できます。それ以降は判別不能ですが少なくとも爪は確認できません。このイラストが文章で描かれなかった行間の先を描いたならば、イアソンは最後の抱擁&キスの際に手袋を外したことになります。勿論そうも考えられますが私的には不自然です。そこで注目したのが挿絵の掲載ページです。カッツェがラウールに一連を報告し終え、自室で煙草を吸い涙を流し、ガイの意識がゆっくりと戻り始めるまでが描かれています。場面の中心はやはり涙するカッツェです。だとすれば、これは涙するカッツェの脳裏に浮かんだイアソンとリキ、但し実際には見ることはなかった(見たいと願っていた)愛し合う恋人同士の二人でしょうか。もしかするとカッツェが涙したのもこの姿が脳裏に浮かんだからかもしれません。また次のページからカッツェとガイの語らいが始まります。カッツェが”間の楔”について語る言葉に説得力を持たせているのもこのイラストかもしれません。ついでにこれが連載版の「間の楔」における最後の挿絵です。今は亡き二人を描くことで、その死や悲劇性を改めて強調する効果もあったのかもしれません。

最初に仮説を立ててから疑問点を挙げて、最初の仮説の否定して別の仮説を立てる・・・。少し分かりにくいかもしれませんが以上が私が感じたことの一連の流れです。しかもイアソンが手袋を嵌めていないことに気づいたのもブログ記事「てぶくろはどこ」を書いた後でした。・・・つくづく読み込みが足りないですね(泣)。その記事に書いた通りに雑誌連載版及び単行本版「間の楔」にイアソンの手袋についての具体的描写は見当たりません。「間の楔-異聞 ミッドナイト・イリュージョン」でイアソンの手袋は描写され、文庫本版「間の楔」で連れ込み館での場面で

"しかも。シルクのような手触りのする手袋をはめたままで。初めは、(バカにしやがってッ。スラムの雑種はバイ菌扱いかよ) 憤怒も煮えたぎり状態だったが。"

吉原理恵子著「間の楔1」(Chara文庫・徳間書店)P218より抜粋

と、憤慨するリキの心情を描くことで以降はイアソンの手袋は彼自身の心境の変化を表わす巧妙な小道具として作用します。しかし道原かつみさんのイラストは「間の楔」が初期の雑誌連載時から既にその効果を担っていたことを示すように思えます。では何故、イアソンの手袋は文章描写では描かれなかったのでしょうか?これは恐らく作者にしか分からないことです。私的にはそれに対する仮説も一応はあるのですが今は伏せておきます。ただ現実的で身も蓋もない仮説ですが。

 

<あとがき>

先ず上記は全て私の仮説もしくは個人的見解です。正確性は担保されませんので、あしからず。

前記事がお下品だったので今回は名誉挽回(笑)の為に真面目に取り組もう!と思い書きました。でも私の本音は真面目と下世話(お下品)、表現の振り幅を大きくしていきたいですね。私の分身は2匹いますから(笑)。

この分身達は「はじめてのBL展」で記念撮影しました。いい加減、これもブログにしなくては・・・"(-""-)"

一応、Twitterのスペースで少しだけグダグダと話しましたが(汗)。