しーくれっとハムのひとりごと

ROM専が時折もらす独り言です。

じゅねたんぼう①

June・・・それは私が好きなBL作品「終わりのないラブソング」(栗本薫)、「間の楔」(吉原理恵子)、「風と木の詩」(竹宮惠子)の続編小説「神の子羊」(のりす・はーぜこと増山法恵)が連載された雑誌であり、日本のBL史を語る上では欠かせない存在です。

しかし、私が実際にJuneに触れることはなく、上記作品も書籍化された単行本or文庫本を手に取っただけです。その後は様々な取っ掛かりから断片的な情報は知っていました。中島梓(栗本薫)氏の「小説道場」&竹宮惠子氏の「お絵描き教室」etc・・・。

そんな私の心の片隅にあった好奇心を呼び覚ましたのが、偶然にもネットニュースサイトで知った「はじめてのBL展」開催の記事でした。

「興味あるな~(///∇///)」と、ツイートした直後から

行きたい行きたい行きたい行きたい行きたい行きたい行きたい行きたい行きたい・・・

と衝動を抑えられず、相当な遠方ですが行くことを決意しました。ただ資金&時間に余裕がない為に計画自体が相当な強行軍でした。その上、会場入り予定日の2023年6月3(土)は前日からの台風2号の影響で私の旅路を更に過酷なものにしてくれました。会場に着いた時には既に身体はガタガタでした(笑)。

(>_<)

※その辺りの経緯も別記事にできれば、と思います。

と、ここまでが長い前置きです(笑)。

先ず会場となったのが埼玉県所沢市角川武蔵野ミュージアムです。

その巨石のごとき外観を目にして思い浮かんだのがマグリットの「ピレネーの城」でした。


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巨石に入ると中は広々としたエントラスホール。早速インフォメーションでBL展のチケット購入。ただ展覧会名をいう時に若干の気恥ずかしさを覚える私の中途半端ぶり・・・

(*´д`*)イヤン

これでは何の為に過酷な道のり(笑)を乗り越えてJune探訪に来たのか分かりませんね!

エレベーターで4階へ。会場入り口でセルジュとジルベールを見て、ついに来たと実感!!

キタ――♪ o(゚∀゚o) (o゚∀゚o) (o゚∀゚)o キタ――♪

軽く説明を受けて中に入ると向かって左の壁一面に巨大なBLの歴史年表!!

★これについては別記事かTwitterのスペースで語れたら、と思います。

年表の向かいが

1.Juneの時代

壁にはいくつものキャプションボード(以降CB)が並び、ガラスケースには貴重な実物資料の数々。元編集長の佐川俊彦氏のCBから創刊秘話が分かります。

※CB全文を載せるのは気が引けるので、私個人が印象に残った部分以外は伏せます。以降も一部抜粋のみ。

先ず私が驚いたのが”男同士で少女漫画”のワード。確かに恋愛モノですがJuneは骨太のイメージだったのでその表現が意外でした。またJune創刊を後押ししたのはゲイ雑誌「さぶ」の編集長。ゲイいわゆるLGBTQはリアルでBLはファンタジー。両者は住み分け済と思っていたのでこれまた意外でした。そして”B5の薄い体裁”で創刊。確かに展示された初期のJuneは今のBL雑誌の1/3~4の厚み。まだまだBLは書き手自体が少ない時代でした。CBによるとそれが中島梓(栗本薫)氏の小説道場や竹宮惠子氏のお絵描き教室での新たな作家育成に繋がったそうです。

因みに竹宮氏のCBでは、実はJuneでの執筆に葛藤があったことが語られています。かつて必死で編集部を説得し、その為に「ファラオの墓」をヒットさせて「風と木の詩」の連載を勝ち取った逸話を知る私はこれも驚きました。

※正確には1978年創刊時のタイトルは「comic JUN」。翌年に「June」に変更となりました。

こうして創刊したJuneですが翌年早々に一時休刊となりました。

Σ( ̄□ ̄lll)

やはりパイオニアやチャレンジャーは苦難の道を強いられるようです。

しかしCB『JUNE』休刊からの復刊についてによると復刊願いの手紙やハガキが殺到し、読者の情熱で復活したJune。その手紙やハガキには”それが嘘みたいにみんな”同じことが書かれていたそうです。私はそれを読んだ時は会場で思わず吹き出してしまいました(笑)。何というか情熱とコスト感覚の絶妙さ、昭和的堅実さを感じたのは多分私だけですね(汗)。恐らく、ほぼキャッシュオンリー(現金のみ)の時代だったこともあるかもしれません。

 

June復活劇の次が『JUNE』とルビー文庫の関係についてです。

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写真が若干暗くてぼやけててスミマセン。"(-""-)"

何故同じJune連載作品が書籍化時は違う出版社の文庫レーベルとハードカバー単行本に分かれるのか?例えば「終わりのないラブソング」は角川ルビー文庫、「間の楔」や「神の子羊」は光風社の単行本です。そこにも中島梓(栗本薫)氏の尽力がありました。

と、コーナー全体を見て感じたのは、やはり中島梓(栗本薫)氏と竹宮惠子氏の存在の大きさです。CBや展示物もお二人の功績や貢献を称える内容が多く感じました。その後のBL文化に与えた影響は計り知れないものがあったようです。

 

ではここで一回終えます。続きは次回?とします。ついでながら私がBL展に行った目的の大半がJuneを知ることでした。なので記事にするのはJune関連が大半です。それ以外はサラっと書くと思います。

 

<あとがき>

やっとブログに書けました・・・。ずっと書く書く詐欺(笑)みたいになっていました。

(*_*)

やっぱりどこまで書いて良いのか迷いました。

因みにJune創刊秘話はウィキペディアに載っています。そこにはBL展のCBの内容がより詳しく書かれています。リンクを貼っておきますので興味のある方は是非ともご覧ください。

(^-^)

JUNE (雑誌) - Wikipedia

<追記>

私が会場で吹き出した読者からの復刊願いの手紙やハガキのエピソードも載っています。ホントに何というか、今の令和の時代は電子マネー等が普及し現金に触れる機会が段々と減っています。その為にお金を使っている感覚が希薄になり、時にトラブルや問題を引き起こす原因となったりします。もう”財布と相談”なんて言ってもピンと来ない人もいるかもしれません。何かその逸話を知って改めて昭和のアナログ時代を感じました・・・て、私だけですね!

 

次回へ続きます。

secretham.hatenablog.com