しーくれっとハムのひとりごと

ROM専が時折もらす独り言です。

じゃないの?

今だ追憶沼に片脚を突っ込んだ状態ですが「はじめてのBL展」の記事の続きです。

このままでは2023年が終わってしまいます(既に年明けに持ち越す可能性大)。

"(-""-)"

secretham.hatenablog.com

2.やおい~やまなし・いみなし・おちなし



雑誌「June」が先駆けとなったBLの商業化がいよいよ進みます。CBやおい」の誕生によると"もともとは「自分の描きたいところだけ描いて、ストーリーの山も落ちも意味もない」"同人誌を自嘲的に評する言葉であった”そうです。

BL発展における大きな原動力となった同人誌。多くのアニメや漫画から二次創作が生まれた訳ですが、当時はキャプテン翼」(高橋陽一著)がブームでした。私はCBを読みながら(え!?聖闘士星矢」(車田正美)じゃないの?)と驚きました。

ここで役立つのが入口の壁一面の巨大なBL史年表。早速、確認してみました。

聖闘士星矢」は後発で、初めての同人ブームを起こしたのは「キャプテン翼」でした。

私の中途半端な知識では「聖闘士星矢」は美形キャラ(アンドロメダでピンクの鎧の美少年とか)が多く、BL(当時はやおい)同人が数多く作られた、となっていました。私的には「キャプテン翼」のキャラ達は、あくまで健全なスポーツ少年のイメージです。

ただ「キャプテン翼」と「聖闘士星矢」の原作の絵を幾つか見てみると、どちらも少年達の瞳がキラキラしていて確かに可愛いな~と思いました。

( 〃▽〃)

CBキャプテン翼パロディ・二次創作ブームと商業誌への影響では、ブームが引き起こしたコミケ発のBL発展について具体的に述べられています。

・「やおい」サークルの爆発的増大

・電算処理を導入&ジャンルコード設定

・同人誌再録中心の商業アンソロジー多数発行

CBは”その後のボーイズラブ雑誌創刊ラッシュにおいて二次創作同人誌出身作家が参加、その才能を更に広げていくことになる。”

で締めくくられています。

このブースの展示物は先ず当時のコミケの配置図です。「キャプテン翼」の二次創作を扱うサークル(ブース)が年々(1985-1988)増えていくのが分かります。次がカップリング表記関連です。CBカップリング表記の歴史(@コミケカタログ)によると1982年夏コミで初登場、同人界隈で広がり2000年代には一般への認知も進んだそうです。表記の時代ごとの変遷も面白いです。

例えばこれを「間の楔」(吉原理恵子著)に登場するCP、イアソンとリキで表すと

1980年代:イアソン♡リキもしくはイア♡リキ

1990年代:イアソン×リキもしくはイア×リキ

2000年代:イアリキ

となる訳です。どの時代の表記も萌えます!!

(///∇///)

またカップリング表記を研究する方がいて関連冊子が作られる等、非常に奥深いです。


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<あとがき>

やっぱりBL展は勉強になります(笑)。また”やおい”もマイナーであるからこそ自虐的に笑い飛ばす、でも後にはそれこそがメジャーになる。その流れが実に痛快でした。

(≧▽≦)

それから記事を書くためにBL史年表を読み返してみると、現実のLGBTQを巡る事柄も記載されていました。奇しくも1985年は”「キャプテン翼」同人誌ブームはじまる”と”厚生省、日本人エイズ(HIV)1号患者を発表”が併記されています。翌1986年は”動くゲイとレズビアンの会(ーアカ)発足”と記されています。BLと現実の同性愛をどう扱うべきか?両者はずっと以前から論争がありました(やおい論争)。BL発展に貢献した故栗本薫(中島梓)氏も当事者でした(栗本・PAN子論争)。でも敢えて年表に併記することで私は主催者サイドの真摯さを感じました。思えばゲイ雑誌「さぶ」の編集長が「June」創刊を後押しした事実も興味深いです。私もこれらの論争はイチBL好きとして考えさせられる部分があります。それは今年観た映画「エゴイスト」も影響しているかもしれません。

私にこの映画を教えてくれたX(旧Twitter)のフォロワーさんに感謝です。

(*^-^*)
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ただ、今回も記事を書いて思ったのですが、私はつくづく写真の才能がありません!

どれも暗い&微妙なピンボケです。

(T_T)